「横浜骨董ワールド骨董縁起帳」

英国の香り、ケイティースタイルなクリスマス


英国への旅行は春から夏にかけてが1番と思われていますが、寒い時期の英国も素敵なことが一杯なんですよ...ご承知のとおり英国は北緯度に位置している為、冬は暗く、夏はサマータイムもあって、夜10時くらいまで明るいという事になっています。春から夏は長い冬の間、土の中でずっと出番を待っていた植物たちが顔を出し、咲き誇り、饗宴となるゆえに、人々もウキウキワクワク、ゆっくりと明るい時間を謳歌、楽しみます。この時期は英国ではシーズンと呼ばれ、ウインブルドンのテニス、アスコット競馬、ヘンリーロイヤルレガッタ等多くのスポーツイベントが開催されます。又、7月から9月のはじめにかけてのプロムス(BBCヘンリーウッドプロムナードコンサート)は最終日、Last Nightの国を挙げての興奮ぶりはNHKなどで放送される程ですが、美しく、楽しかった夏に別れを告げ、これからやってくる長く、厳しい冬を迎える儀式のように行われます。

そんな明るい英国も素敵。でもCozyな暮らしが楽しめるのは寒くなってから。Cozyとは英国の暮らしから切っても切れないキーワードです。Cozyと言う言葉を辞書で引いてみると「こぢんまりとしていて暖かく気持ちが良い、美しい、くつろいだ」などとても居心地の良い表現が並んでいます。寒い、長い冬だからこそ、部屋中敷き詰めた毛足の長いカーペット、Lovelyな花柄のカーテン。ちっとしたコーナーに置かれた盛花やグリーン。暖炉には薪が入れられ、赤い炎がゆらゆら、優しい暖かさが体を包むように温めてくれます。その頃になるとこれからやってくるクリスマスを思い、家々ごとの準備が始まります。

英国は一応、カトリック、プロテスタント、英国国教会や他の宗派を信じるキリスト教国と言われています、教会に通っている人は多くはありません。でもクリスマスともなると特別のようで家族で教会にミサや礼拝に出かける姿を良く見かけます。

アーティフィッシャルでもフレッシュでもクリスマスツリーを買いに行き家族で飾りつけをする事は1年の楽しみ。町によってはモミの木販売の特設会場を設置し、販売している所も。毎年屋根裏やクローゼットの中から出されるオーナメントに加えてホームメードのジンジャーボーイクッキーやクランベリー、松ぼっくりのガーランドも飾ります。クリスマスクラッカーは日本のように三角で引っ張ると火薬が爆発して色紙が飛び出すと言う仕掛けではなく、厚紙で作った筒の中に小さなおもちゃやキャンディーなどを入れ、綺麗な紙でラップしリボンを結んだ物。クリスマスパーティーの時、各自のディナープレートと一緒に並べられ、中身を開けて楽しむというものです。それぞれの趣向をこらしたクリスマスクラッカーの準備がこの頃から始まります。

< クリスマスの5週前の日曜日はクリスマスプディングを混ぜる日。「Stir up Sunday」と呼ばれ、家族で材料を混ぜ、最後にコイン、指輪、ボタンやゆびぬきをおまじないとして一緒に入れて仕上げます。クリスマスパーティーの席で切り分けられたプディングの中にコインがあった人はお金持ちに、指輪を見つけた人は結婚、ボタンとゆびぬきの人は一生独身で働き続けるなどと話題は尽きません。そもそもこのクリスマスプディングの始まりは世界の海を制した大航海時代に船のコックさんがあり合わせの食材を小麦粉、卵とあわせ、蒸し焼きにした保存食だったとか。日本で一般に呼ばれているプディング(プリン)とは形も味も全然違うのにはビックリ!英国に行って、かわいいティールームに入り、メニューの中に「Pudding」という文字を見つけ、注文してみるとガッカリしてしまうかもしれませんので要注意!

このクリスマスプッディングの作り方はこちら:
ロバートソンミンスミート(411グラム入り) 1ビン
リンゴ 1/2個
卵 2個
ケーキ用マーガリン 50グラム
蜂蜜、メープルシロップなど 70cc
ビールなど 120cc
ラム酒 少々
木の実 少々
小麦粉 150グラム
ベーキングパウダー 小さじ1
ベーキングソーダ 小さじ1/2
シナモン、クローブ、ナツメグ 少々

1. ボールに柔らかくしたマーガリン、卵をいれ混ぜ、蜂蜜、ビール、ラム酒も混ぜる
2. (1)にミンスミート、皮ごと刻んだリンゴ、木の実、粉類、スパイスも加えて良く混ぜる
3. 内側にマーガリンをぬったプディング型に(2)を流し込み、生地の膨張を見込んでアルミフォイルでゆったりとカバーをする
4. 天板にお湯を敷きいれ、(3)をいれ、180度のオーブンで50-60分蒸し焼きする
* テーブルに出す時にブランディーをかけ、火をつけるのが伝統
* ロバートソンミンスミートは英国王室ご用達のおすすめで、ドライフルーツとスパイスの甘酸っぱいペーストです。


葉山での我が家のクリスマスも待ちに待った1年の楽しみ!英国スタイルのクリスマス準備は勿論の事、ケイティースタイルが加わります。11月の半ば近くになると待ちきれなくなった私は屋根裏に上ります。クリスマス準備はThanksgivingが終わってからと教えられているのに、この約束は子どもの頃から守れません。20年来わが家に君臨している大きなアーティフィシャルのモミの木を下におろし、1年ごとのクリスマスの思い出のこもったオーナメントを飾り、薪ストーブのまわりも松ぼっくりやヒイラギでお化粧。出窓にはBaby Jesusの眠る馬小屋を飾ります。窓やドア飾り、階段の飾り、壁飾り、いつもの飾りたちが10ヶ月ぶりに出揃います。(わが家のクリスマスは11月半ばから1月半ばまでなので10ヶ月ぶりになります) この時期は家族、友人の集まりだけでなく、私の主宰しているお教室でもターキー(七面鳥)料理やクリスマスのお菓子を焼きますので家の中にはクリスマスの芳しい香りがいつも一杯!1年で1番幸せな季節です。英国でのクリスマス当日はBBC放送からのエリザベス女王のスピーチが恒例になっていて、家族が1つにまとまり、国民が幸せに満ちて暮らせるようにとの祈りが込められています。わが家では気の置けない友人の集まる、クリスマス室内楽とパーティーが恒例行事。一年間の感謝を込めて、来年はより一層しあわせ多い年になりますようにと祈るひと時。日本のクリスマスは外での集まりが多いようですが、こうやって家で集うことってとてもCozyで素敵!是非今年は手作りのクリスマスプディングに思い思いのおまじないやお祈りを込めてCozyに集まってみませんか?