「英国生活骨董 KATY'S HAYAMA 便り」

我が家の猫ストーリー


あれから...2週間以上があっとう間に経ちました。さんちゃんはみかちゃんがやってきた日から「キャプテン・サニー・さんちゃん」となり、みかちゃんは「ペネロペ・みかちゃん」になりました。なぜか...ね。

猛獣使いに捕らえられ、檻に入れられたみかちゃん、この日に驚きと怖さで思わず失禁して以来、4日間もおしっこもうんちもなし。ご飯も余り食べないし、心配でした。 その後おしっこはしたのですが、うんちは出ないので、健康診断もかねて、病院に行く事になりました。何しろ年齢もわからないし、ミステリアスみかちゃんですから。

先代のピーちゃん、そしてさんちゃんがお世話になっている安田先生が病院をやめてしまいました。先日のさんちゃん便秘事件では安田先生の夫君がやっている逗子の病院まで行ったのですが、近くにおなじみを作らなくてはと思案。

「KATY'S HAYAMA かやのきテラススタジオ」時代、お隣さんだったコーヒー屋さんが今は動物病院になっているし、駐車場も広いし、良い感じの雰囲気なので行ってみる事にしました。

動物病院の名前は「雷頭動物診療室」。どんな先生が出てくるのか想像が膨らみました。この建物はステンドグラスのある、一見フレンチルネッサンス風?かコロニアル? 山小屋風でもあり、なかなか素敵なのです。

中はレトロなコーヒー屋さん時代とは感じが変わって、明るく、湘南ブリーズな世界。天井梁に掛けられたドライフラワーの束の自然な感じや、白い壁に映画を映していたり、かなり好み!

混んでいたので一度家に戻り、お昼過ぎに雷頭先生とペネロピみかちゃんがご対面。触られたり、抱かれたりが嫌いなみかちゃんですから、大騒ぎですが、さすが手慣れたナースと先生。

雷頭先生はおじいさんかと思いましたが、若い先生でした。念入りにみかちゃんを触診してくれました。8歳位らしく、そんなにおばあさんではありませんでした。

家の庭に来るようになった時はかなりの栄養失調でがりがりだったのでしょう。あれから一年半。ふかふか、もちもち猫になりました。色つやも良いのはまだ働き盛り(?)だから。50歳位かな!?

内蔵や骨にも問題はなく、栄養も良く(そりゃそうです)、元気との事でひと安心ですが、歯が随分折れていて、耳の端も骨折のあとがありました。ここまでどんな風に生きていたのかしら?

良く超常現象やスピリチュアルなドラマや映画を観ていると、その人の腕に触れると過去が見えてくる描写がありますね。あれ、私も出来たら、みかちゃんの過去を探って、今の行動を分析するのですが。

エイズ検査なども無事クリア。みかちゃんにとっては大変な一日でしたが、これで一安心。あとはさんちゃんと共存する我が家の暮らしに慣れて、静かに暮らしてくれればと思っています。

それから又一週間が過ぎました。みかちゃんのケージは2階、私のアトリエでドアを開けたままにしてあるのですが、ケージに入ったり、私の手芸材料の入っている英国のバナナの箱に入ったり、少ない距離を行ったり来たりで暮しています。

それ以上の冒険はまだですが、庭猫時代から行動範囲は至って狭く、決まった所にいつもいる子でしたから、大丈夫でしょう。それでもこの頃はキョロキョロしています。

さんちゃんは気になって気になって仕方ないので部屋に入って来るのですが、弱気で、鳴く事もなく、しばらくたつと帰っていきます。このくり返しを何回かすると、自分の持ち場に戻り、眠ってしまいます。

その時のみかちゃん、存在は分かっているので少し鳴く事もありますが、こちらもじっとしていて半分無視状態。老いらくの恋とは言いませんが、少しづつ接近して、空気の様になってくれると良いのですが。

ケーブと呼んでいるバナナの箱は以前、さんちゃんのお気に入りの場所だったのですが、今はみかちゃん。ジャガイモの種イモ発芽の為に置いてあった箱に入っているさんちゃんを見つけ、キルトを入れて、ベッドを作ってあげました。

さんちゃんがストレスを増やさない様に、みかちゃんが今の状態に慣れて安心出来る様に、さんちゃん&みかちゃんが我が家の普通の光景になじむ様に日々、願っています。

キャプテンさんちゃん、ペネロペみかちゃん、サンダーバード国際救助隊を彷彿させる命名に一人酔っているかあちゃんです。



追伸: 雷頭動物診察室は別名(本名)Hayama Rize Vetです。


-お勧めインフォメーション-

*ルウシイのインスタグラム
大きいけどミニケイティー。2代目を宜しくお願い致します。







 

◆ 編集後記 ◆

こちは葉山は桜満開が過ぎ、なんと町役場横、花ノ木公園のつつじまで咲きだし、春爛漫の様子。桜もつつじもいつもよりかなり早いです。遠い昔、古文の時間に習った伊勢物語の一節をこの時期、桜の散る様子を見ると思い出します。 古文や漢文は好きでなかった私でしたが、新しく赴任した古文の先生の面白さからすっかり古文通、歌舞伎好きになってしまいました。「散ればこそいとど桜はめでたけれうき世になにか久しかるべき」...散るからこそ桜は美しい。 こんなつらい世の中だっていつまでもそんな具合じゃないし、良いことがやってくるからね...なんて教えられました。昔の人の物事の考え方や言い回し、言葉使いは趣があって、読む人の心を温かくしてくれます。当時の子供心にも 方丈記の「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。淀みに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし...」にひどく納得した事も覚えています。先日「話し言葉で読める方丈記」なる本 を買いました。古文原書ではくみ取れない言葉の裏や表を教えてくれるでしょう。読みかけの本もあるのですが、今夜からスタートです。




◆ 次号予告 ◆

No.464 2021年4月23日 *神戸ストーリー