「横浜骨董ワールド骨董縁起帳」

ブルー・ウイローでカップ・オブ・ティー

お気に入りのブルー・ウイローでいつもの紅茶を頂くという至上の喜び


暑かった夏が終わり、秋から冬は何と言っても紅茶が特別においしい季節。シルバーのティーポットからこだわりで集めたブルー・ウイローのカップソーサーに熱々の湯気と共に注がれるお気に入りの紅茶の香りは想像するだけでもステキ!美しい季節や楽しい日々を髣髴させてくれてワクワクしてきます。

ブルー・ウイローやウイロー・パターンと呼ばれる絵柄は18世紀末に英国シロップシャーの陶工、トーマス・ターナーが作り上げたものでそのオリエンタルで美しい絵柄には物語があります。娘の名はコンセー、裕福な家の育ちでした。恋人はチャンと言う名前でコンセーの父の秘書、すなわち使用人でした。いつからか2人は身分を越えた恋に落ちるのでした。勿論父親はそれを好ましくは思わずチャンを首にしてしまい、娘のコンセーを身分の高い公爵と婚約させ、家から一歩も出る事ができないようにしてしまいました。かごの鳥になってしまった彼女を忘れられず、恋焦がれ、何とかコンセーの家に忍び込んだチャンでしたが家来達に見つかってしまいました。追手を必死にかざし、恋する2人は船で遠くの島までの逃避行に成功、しばらくは幸せに暮らしたとの事です。ところがこの賢い青年、チャンが有名な作家になったばかりにコンセーの父に見つかり殺されてしまいます。悲しみに覆われたコンセーは自害。この2人がブルーウイロー柄の中に飛んでいる2羽のハトなのです。ストーリーはロミオとジュリエットの様でさすがシェークスピアの国で生まれたウイロー・パターンと納得です。

紅茶は紀元7世紀ごろに中国からシルクロードを通り各地に伝来されたと言われています。絹の生産が中国以外ではまだ難しかった頃にここを通りヨーロッパ各国の贅沢を自由にできる人たちに広まりました。同じくこの道を通って伝来されたのがお茶でした。日本に渡ったのが平安時代、遣唐使が持ち帰ったと言われています。中国でCHAと発音されていた茶は日本、ペルシャ、ポルトガル、インドではそのままCHAと呼ばれましたが、アラビア、ロシアではCHAI。チベットではJA。トルコではCHAY。イタリア、ハンガリー、デンマーク、ノルウエー、スゥェーデンではTE。フランスはTHE。そして英国のTEAとさまざまに変化しました。こうして各国に広まっていったお茶ですが名前だけでなくその製造過程の違いで同じ茶葉もウーロン茶、緑茶、紅茶にと特色あるものに変わっていきました。

私がクラスや講演の中でお淹れする紅茶はセイロンブレンドティー。選りすぐりの渋みと香り、色合いを「おいしい!」と皆さんおっしゃいます。紅茶のおいしい淹れ方はたくさんの先生が本にしていますし、専門の勉強をされている方も多いですね。紅茶は生き物、薀蓄を傾けたら何時間も費やしてしまうほど奥深いものとは思いますが私Katy流はいたってシンプル。

必要なものは沸騰したお湯、シルバーのティーポットとホットウオータージャグ、日本茶用のティーバッグ、少しの辛抱と気遣いです。そしていつもの紅茶。紅茶の茶葉に浮気は禁物!自分好みのブランドを見つけたら一筋、自分スタイルのオリジナルを持ちましょう。

私がいつも愛用している7,8杯用シルバーティーポットの場合は、まずはお湯を沸かしている間に日本茶用ティーバッグにキャディースプーン3,4、杯の茶葉を入れティーバッグを作っておきます。お湯が沸いたらティーポットの中にこのティーバッグとお湯を入れ蓋をして1,2分待ちましょう。(セイロンティーは茶葉が細かいので少ない時間でおいしいお茶になります)お湯を注ぐ時にシルバーが「熱い!熱い!」と言っている切れのよい音を聞くのも楽しみです。紅茶をカップに注ぐ時はなみなみと!決してケチなマダムにならない事。そして紅茶をカップに注ぎ終わり、ポットの中に半分ほど残っているお茶にはホットウオータージャグからお湯をさして2杯目の紅茶を用意をしておきましょう。カップの中の紅茶が少なくなった方にはたっぷりと熱々を足してあげましょう。ステレオタイプの紅茶の淹れ方、「茶葉はスプーンでカップの数、プラス1杯をポットに」なんて事をしたら濃すぎて渋くてとてもおいしいとは言えない紅茶になってしまいます。その紅茶の特性に合わせた淹れ方が大事なのでいつもの紅茶が間違いないのです。ブルー・ウイローのカップソーサーにみちみちと注がれたいつもの紅茶に心のこもった手作りのバジルビスケットが加われば至上のティータイム。冷たいミルクも添えてさあテーブルに。今日のマダムのティー・ストーリーはコンセーとチャンの物語にいたしましょう。

バジルビスケット材料:
ケーキ用マーガリン 1カップ
三温糖 1/2カップ
小麦粉 1カップ
コーンスターチ 1/2カップ
フレッシュバジル 5,6枚ほど刻んで
白ゴマ 適量

作り方:
1. ケーキ用マーガリンをクリーム状にする
2. 三温糖を入れてふわっとした状態にする
3. (2)に小麦粉を入れさっくりと混ぜ、バジル、白ゴマも加える
4. (3)を丸めて冷蔵庫ですこし休ませる
5. 種を程よいビスケットの大きさにまとめ180度のオーブンで8-10分焼く